ウォンバットの黄金バット

いろんなバットちゃんです。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吉田修一著『怒り』を読んで(3)

自分たちに「何かが変えられんのかな」と自分で行動が起こせない沖縄の高校生、自分の娘が不憫すぎて幸せになることさえも諦めたいと感じる父親の心情、同性愛という公にし難い関係性を理由に放任主義を装う若者の強がり、物語上で描かれる登場人物たちには…

吉田修一著『怒り』を読んで(2)

この物語は、とある猟奇的殺人事件を契機に、よくは知らないけれど好意を寄せていた人物に対して、不信を抱いてしまうことから始まる。最初はちょっとだけ違和感を感じるぐらいで気にも留めないぐらいだったのが、相手を信じようとすればするほど、疑いが深…

吉田修一著『怒り』を読んで(1)

掲題の小説が映画化されるにあたり、妻夫木聡がゲイ役を演じるということで話題になった。予告編でプールサイドで繰り広げられるナイトパーティー(?)で踊る妻夫木聡がとてつもなく愛らしいと、みなが口々に言うのを見て、そんなシーンがあるのかと自分も予…