ウォンバットの黄金バット

いろんなバットちゃんです。

#ゲイと東京から遠く離れて 2020冬(大阪2日目夜)

車窓からの景色が暗くなってくると、窓ガラスに自分の姿が反射して見えた。

もし自分が民族学博物館に陳列されることがあったら、どんなキャプションがつけられるのだろうかと、不意に想像してみたけれども、はっきりとした文面が思いつくことはなかった。

自分の属性はいくらでも思いつくのではあるが、いずれも不十分でそして過剰なように思えてくる。
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自分はまだまだ世界に拓いてないことの証なのだろう。

昨日の博物館の館長の講演を聞いてから、「世界に拓くこと」について考えてばかりいる。
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伊丹空港の駅について、出発ロビーに向かう。

出張や旅行の帰りの人、これから向かう人、空港に出勤する人、退勤する人などなど、結構な人の数が歩いている。
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一方向に歩く人の列から外れて、橋下の方へ目をそらしてみる。
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右がモノレールの駅で、左が伊丹空港のターミナル。中央はタクシーとバスのロータリー。
空港の近くの大抵の道路ってアスファルトが新しいから、雨に濡れて更に艶やかになっていた。


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JALの発着する北ターミナルは改装中で少し薄暗かった。
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出発の2時間前に着いたので、お土産を見に行ってみると結構な人混みで賑わっていた。
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しかし博物館で買い込んだ図録が重いので、早々に荷物検査を受けてゲートに向かう。
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改装後はどんな感じになるんでしょうかね。
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監視カメラの数がすごい。
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帰りの飛行機はもう到着していた。
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改造が終わったゲート前のロビー。シックですね。
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東京五輪デザインの機体だった。こういうの初めてかもしれない。
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1時間半近く待って、ようやく搭乗。とにかく図録が重い。
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CAさんはマスク着用。
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出発~。
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暗転~。
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大気が不安定で機体が揺れるのを見越した関係で、機内サービスは冷たいお茶かリンゴジュースのみだった。

東京五輪デザインの紙コップ。

本当に結構揺れたので、小説を読み進めるのにも難儀した。

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いや、小説が読み進められないのは、本当は機体が揺れていたせいではなくて、主人公の決断が自分の考えを大いに揺さぶってきたからだった。

自分の判断を正しいと思わない限りは、揚々と生きていくことなどできないというのに、小説の中の主人公は、まるで夢から醒めていくように、正しいと思ってきた現実の暮らしを改めて出直しを賭けようとしていた。

これ以外は無いと思っていた自分の日常生活が無かったことにされていく様子は、自分の将来にも読めてきて辛いのだが、さらに辛いのは新しい日常が希望に満ち溢れているように描かれていることだった。

別に「置かれた場所で咲きなさい」ということを信条にしてきたわけではないのだが、ただ我慢しているだけで状況はよくなることはないのだということを、面前に突き付けられているようだ。

自分は我慢しているだけなのか、そう思うと途端にむなしい気持ちになってくる。

自分が咲ける場所は自分でつくっていかないと。

そんな場所づくりって、どうすればできるのか。

小説を読み終える前だけど、それはなんとなくもうわかっていた。

「世界へ拓いていくこと」だ。

ただ、どう拓くことが正しいのかはよくわからない。

とりあえず、鬱蒼とした熱帯雨林の中を探索するように、勉強しながら探索していくしかあるまい。

そんなことを考えていたら、あっという間に羽田空港に着いてしまった。

ワラワラと機内から出ていく他の乗客が空くのを待って、自分も重くなった荷物を抱えてタラップに出ていく。

(背もたれのカバーも五輪デザインだったとは(気づかなかった))
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(羽田空港も雨が降っていた)
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あとは、家まで帰って寝るだけ。
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名残惜しさが少しもなかったのはどうしてだろうか。

もちろん荷物が重くて一刻も早く家に着いてほしい、と思ってはいたけれど、時間さえできれば いつだってどこだって行けるんだよな、と思ったところが大きい。

これも拓いていくことのひとつかもしれない。

特別感など有って無いようなものなのだ。

 

(あーでも昨日食べたタコ焼きは美味しかったな...。また食べたい。)

 

 

#ゲイと東京から遠く離れて 2020冬(大阪2日目夜)