#ゲイと東京から遠く離れて 2021春①
昨日は会社内で部内向けのプレゼンがあって、生きた心地がしなかった。
発声の仕方がおかしいのか、一人で一方的に5分ぐらい話していると、喉元がギュウウウッと締め上がってくる感覚がある。
今回は30分ほどのプレゼンだったので、マジでメンタルも身体も持たなかった。
退勤して水泳教室で泳いだら、身体の緊張がほぐれるかなぁと思っていたけど、残尿感みたいな感覚がずっと残る。
今朝の出発時刻に寝坊しないかどうかが心配なのもある。
帰宅して1泊分の荷物の準備をして、深く眠らないように、人をダメにするクッションに寄っかかるように眠る。
起きないと間に合わないリミット時間の30分前から、目覚ましのアラームをセットしておいたけど、結局、起きれたのはリミット時間だった。
最初のアラームを止めた記憶はまったくない。
人をダメにするソファの威力を思い知る。
シャワーを浴びて身支度を整えて、荷物と戸締りを確認して家を出る。
羽田行きのバス停には出発時間の5分前に着いた。
先客の男性が1名いるだけで、辺りはまだまだ薄暗く静まりかえっている。
待っている間にメガネケースと頭痛薬を忘れたことに気づいたけど、もう家に取りに帰る時間はない。
忘れ物のない旅なんてしたことなんて無いんじゃなかろうか。
バスの中で仮眠の続きを取ろうとするが社内の照明が明るくて眠れない。
昨日のプレゼンの緊張感がまだ喉元に残っているようで少し不快でもある。
もう少し上手く出来たらと思うけど、上手くできるような気がしないのだ。
人身を掌握する才能があれば!と嘆く気持ちが湧くものの、そんな才能があればこんな仕事はしていないんだろうとも思う。
昨日の水泳の疲れもあるだろうし、なにより寝不足のせいでもあるだろう。
しかしながら、こんな辛い思いをしてまで出かける必要があっただろうか、とつくづく思うのだが、ちょうどいい時間帯の飛行機が取れなかったのだから仕方がない。
外が段々と明るくなってくると街の様子も見えてくる。
扉に「テナント募集」の案内を貼り付けた店が多く目についた。
日の出の時刻を少し過ぎて羽田空港に到着する。
こんなに晴れた日に出発するのは久々な気がする。
平日だけどビジネス客は少なめで、春休みで移動する人が多く見える。
保安検査場の検査が厳しくなっていて、上着はジャケットだけでなくパーカーも脱いでくれと言われて、Tシャツ1枚にさせられて驚いた。
ちゃんと綺麗めのTシャツを着ておいて本当に良かった、と安心する。
欠航する便が多め。天候のせいだろうか。
しかしとにかく眠い。
きょうの旅程は何となくでしか決めてない。
はてさてどうしようか。
なにも決まってないけど、とりあえず出発する。
#ゲイと東京から遠く離れて 2021春①