ウォンバットの黄金バット

いろんなバットちゃんです。

大玉ドロップの歌詞保管庫(3)

お疲れ様です。大玉ドロップです。

 

前回は明るい曲だったので、今回は引越しサウンドらしい曲がいいなぁ、と言っていたら、引越しサウンドさんから歌詞を先にくださいよ、と宿題をいただきまして、書いたらすぐにトントン拍子で新曲ができました。

 

今回はディスコミニュケーションを題材にした歌です。

メールにLINEやtwitterなどのSNS、連絡手段には事欠かない状況ではありますが、言葉だけじゃコミニュケーションは取れないもんだな、という思いを歌詞に載せました。

そういう出来事が直近であったために、もう何か創作物として昇華せねば!と、一気に書き上げた詞です。

 

今回は私情の念が盛り盛りだったので、引越しサウンドさんも、さぞや重たい思いをしたのではないかと、申し訳ない気持ちでいます。

しかし一方で、思った通りの曲をつけてもらったので、歌詞の経験も浮かばれるなぁ、と満足している次第です。

ありがたい限りです。

 

歌詞の内容としては、端的に言うと、文字面だけではわからないし、わかりたくないよ!という内容です。

文字情報のみで書かれたメッセージを理解するのって難しいですし、逆に理解してもらうのも難しいと常々試行錯誤してばかりです。

書かれているメッセージの言葉尻を捉えたり、文字通りの解釈するだけでは、把握しきれない事実ってたくさんあると自分は思ってまして、たまに本当にシンドイなぁ、と思うことがあります。

 

例えば、好意を抱いている人から、ただ「ムカつく」とだけメッセージとしてLINEで送られてきたとします。

普通ならば、なんでこんなことを言われないといけないんだと、憤りの感情が湧いてくるし、イラつかせてしまったことが悲しくて落ち込みます。

 

でも、メッセージの送り主が、この4文字を入力して送信するのにかかった時間や、そのときの相手の表情は4文字の情報からは事実として受け取ることができないんです。

「ムカつく」という4文字を送るまでに、他の言葉や文章を書いていたかもしれない。

迷いながら送信ボタンを押したかもしれない。

怒りや八つ当たりの感情に任せて、勢いでぶつけられた4文字かもしれない。

冗談で送ってきたのかもしれない。

しかし、どれも推測です。

 

このメッセージを送ることで、相手は何を伝えようとしているのか、自分にどんな気持ちになってほしいのか、途端にわからなくなりませんか?

お互いが相手にわかってほしいし、わかりたいと思っているのに変な話です。

 

「ムカつく」だなんて、自分を怒らせたいだけなのか!?と思うし、失礼千万だろ!と一蹴してしまうのも、世間では許されるのかもしれません。

でも、好意を抱いてる相手であればあるほど、それができなくなるんです。

誠意をもって応えたいと思うと尚更で、とても返信するのが難しい。

 

所詮、団体職員勤めの一般市民なので、シンドイのも当然ですし、上手いように行かないのも当然なんですけどね。

一般市民なので、シンドイのがシンドイのです。

 

そんなことを考えながら、晩秋から冬の寒い季節に合うよう、歌詞のなかの世界を書き上げてみました。

引越しサウンドさんの吐息混じりの歌声も聴きどころです。

 

引越しサウンドさんに歌詞を渡す時には、星野源が書いた曲を平井堅が歌っているか、平井堅が書いた曲を星野源が歌っている感じです、と伝えたところ、男版aikoみたいな曲になったのが面白かったです。

あと早朝の雰囲気に似合う曲にしてほしくて、ピアノの音を入れてもらったんでしたっけ。

ほんと引越しサウンドさんって、器用な方というか天才ですね。

 

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氷雨
作詞:大玉ドロップ
作編曲:引越しサウンド

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音源はこちら↓

https://soundcloud.com/hikkoshiiiii/hisame
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氷雨が 突然 降り出した
目で見て 確かめたわけじゃない
地面を打つ その音が聴こえる
冷気が部屋に伝う

 

鼓動が 急に 早くなる
正しく 数えたわけじゃない
脈を打つ その圧を感じる
涙が頬に伝う

 

薄暗い部屋 光を放つLED
震える心 止まった着信
目に映る文字は 冷たい雨粒みたい
僕の胸を打ちつける

 

熱い涙が 落下しても
滲むことの無い 君のメッセージ

君の声で 聞きたかった

 

辺りは とっぷり 日が暮れた
時計を 見て知ったわけじゃない
壁を照らす 街灯が明るい
闇夜は部屋の中に

 

湿度が しっとり 高くなる
予報を 調べたわけじゃない
窓を濡らす 雨露が光る
涙は部屋の宙に

 

真っ暗な部屋 光を放つLED
抑える指で 消した文言
打ち出した文字は 冷たい雨粒みたい
点滅しては消えていく

 

熱い気持ちを 乗せてみても
定まることの無い 僕のメッセージ

僕の声で 伝えたかった


上下になでる画面
過去のやり取り
何度も確かめては
言葉を探す変換キー

 

君に届く前に消えた言葉は
どこへ行ってしまったの


陽の入る部屋 光失うLED
吐いた息で 曇る液晶
届けたい文字は 冷たい雨粒みたい
跡形も無く乾いて...

 

熱い涙が 落下しても
滲むことの無い 君のメッセージ

君の声で 聞きたかった

 

熱い気持ちを 抑え込んで
送らずに消した 僕のメッセージ

僕の声で 伝えたかった

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次は、年越しソングを書きたいですね!

あとは、とある女の子の歌も考えたいなぁ、と思います。

 

ではまた。

大玉ドロップ