タラソテラピーのある浜に着くと、もうすぐ日の入りの時間になっていた。 微かな望みにかけたのか、何組かの人が夕陽を見に来ているようだったが、西の海を眺めると厚い雲は、紺色に沈む色をした海の色を映していた。 少し高い波が砂浜に打ち寄せる音と、猛…

約束の時間の10分前には着いてしまいそうだったが、どこかで時間調整をしようにも目的地はもう目前だった。 そのまま目的地のユタ神様の家へ向かうことにする。 なんだか島時間には一向に慣れそうにはないなぁと思いつつ、細い道幅の門口を曲がると、ちょう…

ミキの持ち帰り方を気にしながら車を走らせていると、また雨が降り出してきた。 ただ、上空の雨雲はそれほど大きいものではなく、細切れになっているようで、断続的に降ったり止んだりする。 フロントガラスを打つ雨粒の大きさも不ぞろいで、ワイパーは手動…

そろそろ時間なので、集落に向かおうと車に乗り込んで出発する。 公民館は集落を浜辺の方に進んだ突き当たりにあった。 駐車場があると聞いていたが、見当たらないので、とりあえず浜辺の駐車場に停める。 車のエンジンを止めると、波と風の音しかしない。 …

ふと目を覚ましてiPhoneを見ると、朝の6時半が過ぎていた。 昨日の染め作業で酷使した腕と手首が、見事に筋肉痛でじんじんと痛む。 部屋の外からは宿のご主人が朝食の準備をする音と、サーフィンに出かける準備をするあの3人組の声がする。 一昨日の晩に東京…