#ボタニカルホモ日誌 20180630
暑さのせいか、それとも昨晩に呼び出された仕事のせいか、とても嫌な夢を見た。
彼の人が家に来たにも関わらず、特に何も用事もないからとさっさと帰る様子を、ベランダから名残惜しく見送っていたら、ベランダにあるはずの鉢植えが1/3ほどの数に減っていた。
まるでこの部屋に引っ越して来たばかりの頃のような、殺風景なベランダの様子にゾッとする。
よく見ると隣の部屋との間仕切り壁もない。
あぁ、老朽化している間仕切り壁は交換するという案内も出ていたし、その工事作業で邪魔だったから片付けられてしまったのだろうかと、とにかくガッカリしてしまって空虚な気分に陥った。
まさに心に穴が空いた感じ。
怒りも哀しみさえも何の感情さえも湧いてこないし、そこに何の感情があるのかと聞かれても答えようがない感じ。
言ってくれれば自分で始末をつけたのに、という想いが湧いたところで目が覚めた。
すでに外は明るく、まだ早朝だというのに真昼のような暑さがある。
窓の外からは、風に揺れて葉のこすれ合う音が聴こえてくる。
そこで先っきのは夢だったのか、とようやく理解することができた。
ベランダで鬱蒼と生い茂る鉢植えは、まだそこにあるようだった。
布団からベランダの方を見やれば、鬱蒼と生い茂る植物たちが、早く水遣りをしてくれよと言わんばかりに、自らの身体をワサワサと風に揺らしていた。
起き上がって外を確認すると、鉢の土はカラカラになっていたので、慌ててジョウロに水を汲んで水遣りをする。
うちのベランダには水道がないので、風呂場で水を汲むのだが、このベランダと風呂場の往復がとても面倒くさい。
しかも暑さのせいで、この間まで二往復で済んでいた水遣りが、きょうは三往復もかかった。
想定外の速さで梅雨明けもしてしまったし、もう少し夏が進めば四往復ぐらいしないとならなくなるだろう。
大した作業でもないのに、汗がとめどなく流れてくる。
早く終わらせてシャワーをしようと、いつも以上に雑な水遣りをする。
けれど、先日に蒔いた唐辛子の種が発芽しているのを見つけた。
韓国唐辛子の芽は、ほぼ出揃ったようで頼もしい限り。
イタリアン唐辛子もいくつか芽を出してきている。
わかりにくいかもしれないが、この画像には二箇所で発芽している。
韓国唐辛子ほど発芽率は良くなさそうだが、上手く育ってもらえそうで安心した。
ジャボチカバ氏も新芽が大きくなっていた。
新芽のうちは黄色くて柔らかい葉なのだが、そのうち、だんだんと緑が濃くなって硬くなっていくはず。
蕾もたくさんつけていた。
コガネムシの幼虫に根を食い荒らされたけれど、なんとか生き延びてもらえそうな雰囲気だ。
アセロラちゃんは花をつけるものの、まだまだ実をつけてくれる気配がない。
急に暑くもなってしまったし、今年は期待せずに夏越しだけに励んでもらえたらと思う。
これは去年落ちた種から育っている紫蘇くん。
西陽がよく当たる端っこの苗が萎れてしまっている。
葉水で機嫌を取り戻してもらえると良いのだが。
ホーリーバジルが次々と花芽をつけてくるので摘心していたら、きょうも両手いっぱいの花芽が採れた。
もったいないので保存できるように乾燥させているが、きょうは生のままドリップコーヒーに足してみようと、水遣りのジョウロを片付け、部屋に戻って湯をわかす。
湯を沸かしている間に豆を挽いてたら、また汗が止まらなくなった。
なんでまた面倒なことをしているんだろうか、と若干途方にくれる。
淹れたコーヒーは、バジルのフレッシュで青さのあるスパイシーさが加わり、ほんのり甘みも感じる仕上がりになった。
ミントを加えたときの清涼感には劣るが、これはこれで十分に美味しい。
コーヒーを飲んでたら、昨晩の仕事の鬱々さと先っきまで見た夢の空虚さが、脳みそから消えていた。
ホーリーバジルの浄化作用のおかげかな、なんて思ったけれど、単に作業に集中したがために意識から外れただけなんだと思う。
この記録を書いていたら、また蘇ってきてしまった。
彼の人と一緒にいたときの感覚だけ蘇ってくれれば良いのに。
夢の話で現実のことでもないのに、コントロールが効かないのはおかしな話だ。
自分の妄想力もまだまだだ。
#ボタニカルホモ日誌 20180630