ウォンバットの黄金バット

いろんなバットちゃんです。

#ボタニカルホモ日誌 20180729

台風が過ぎ去って行ったのは、今朝方のこと。

起きて窓の外を見ると、水分をたっぷりと含んだ空気が、朝日を乱反射しているのか紗がかかっているかのように眩しい。

ベランダの鉢植えは、久々の雨に喜んでいるかのように、葉っぱをピンッとさせているものもいれば、雨風に打たれるのに疲れて横倒れになっているものもいる。

そこまで被害は大きくないようだったので、ようやく迎えた夏らしい朝の空気が心地よく感じられた。

きょうは36回目の誕生日の朝だ。

誕生日を嵐の夜を明けて迎えるとは、天気も余計な演出をしてくれるもんだな、なーんてキザっぽく感慨に耽ってみたものの、誰も突っ込んでくれない時にするボケほど惨めになるもんなのだな、と即座に反省する。

しかし、次の誕生日にも、こうしてふざけたことを空想しては、馬鹿馬鹿しいなぁと笑えていたらいいなぁ、とも思った。

 

きょうは雨の降った後なので、ベランダの鉢植えに水遣りをする必要は無い。

非常に楽ちんな朝だ。

ただ、久々の雨のせいで雑草も元気よく生い茂ってしまったので、きょうは草取りに励むことにした。

雑草といえども、草は草でいろいろと生えてくるので、それを見るのも意外と楽しかったりする。

しかし、雨が続くと風通しも悪くなって蒸れたりして、植物を弱らせる原因になったりもするので、定期的な草取りは欠かせない。

雨に濡れたコンクリートや鉢の土から、ムワンと湿気が立ち込めてくる中、きょうは俺の誕生日なんですけどねぇー、とつぶやきながら鉢植えに生い茂る雑草を抜いて行く。

当たり前だが、植物からは特に返事もない。

逆に、もっと早く抜いとけよオラァ、というクレームの声が聞こえてきそうな感じはあって、思春期の親ってこういう気持ちなんだろうか、などと考えたりもした。

 

草を抜くときには、必然的に植物の根元を押さえながら抜く。

鉢の土ごと抜いてしまうのを防ぐためだが、普段は葉に隠れて目にすることのない株元の茎の太さを確認することもできる。

久々に見たら、春先からの成長ぶりに驚いた。

春には数ミリもない小さい種だったものが、たった数ヶ月で茎を木質化させていたりするのだ。

人間の年齢でいうと何歳ぐらいになるのだろうか。

自分が一生を終える間に、植物らは何世代も入れ替わるわけだし、そのスピードを考えると、自分の成長の遅さに少し恥じ入る感じがしてくる。

そりゃあ、世話する人間の誕生日なんて、植物たちにとっては知ったこっちゃない話なわけである。

 

でも何も良いことが無かったわけでもない。

今朝はジャボチカバ氏の実が残っていたのだ。

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豪雨のせいでライバルの鳥ちゃんたちも、どこかに避難したままなのだろう。

ようやく一年ぶりに食べることができた。

甘酸っぱくて少しミルキーでトロンとした食味。

とても美味しい。

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ホップ氏の間に蔓を伸ばしていた風船葛さん。

ベランダの隅に寄せた土に混じっていた種から、ここまで伸びてきたらしい。

花は可愛らしいのだが、ホップ氏の邪魔になるのでお暇してもらう。f:id:bat_warmer:20180729220334j:image

↑のように、ホップ氏から異なる形の葉が出ているのがとても気になるが、根元を辿ったら別の植物なのかもしれない。

調べなければ。

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↑のハイビスカスローゼルさんは、順調な成長ぶり。

芽出ししてからこの間までは、葉の奇形が続いていたので心配していたが、どうやら虫の仕業だったようだ。

暑さのせいで虫の活動が弱まったせいか、葉の形も安定するようになった。

なんの虫の仕業だったのかはわからないが、今年はアブラ虫も少なかったりして、猛烈な暑さも悪いことだけではないなと思う。
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↑は豪雨に負けて倒れてしまったイタリアン唐辛子さん。

明日も倒れたまんまだったら、支柱を立ててあげよう。

 

ひと通りの草取りと鉢植えの様子を見ていたら汗だくになってしまったが、この間までの猛烈な暑さはなく、清々しい暑さに感じられた。

湿気で紗がかかった空気も、風に洗われたかのか、遠くの山の景色がくっきりと見えるようになっていた。

暑さも嵐もほどほどが良いですよねぇ、と植物たちに同意を求めてみたが、相変わらず返事はないので、部屋に戻ってシャワーを浴びて着替える。

先日、かの人から誕生日プレゼントにハーフパンツをいただいたのだ。

きょうは会えない分、プレゼントのハーフパンツを穿いて、どこかに出かけるのが楽しみで楽しみで。

まさかプレゼントをもらえるとは思ってもいなかったので、そんな年齢でもないのに、というか、そんな年齢でもないからこそ、とにかく感動もひとしおなのである。

しかし、会えないことが寂しくないかと言うと嘘にはなるが、不幸なことのようには思っていない。

それぞれの人間はそれぞれの人間のスピードで幸せになればいいのだと思う。

植物たちはすぐに代替わりしてしまうけれども、自分はまだ何回も誕生日を迎えるし、その限りはまだまだ「幸せ」を貯蓄することができる。

 

#ボタニカルホモ日誌 20180729