#きょうの水泳教室
仕事を終えて会社の玄関を出ると、ぬるま湯のような空気がムワッと身体にまとわりついた。
かなりの湿気で蒸し暑い。
反射的にじんわりと汗もふきだすし、湿気を吸ってシャツが一気に湿っぽくなった。
空気に濡れる、というと変な感じだが、ピッタリな表現なのではないか。
昨晩は残業で遅かったし、神経を使う仕事だったせいか、あまり睡眠時間が取れていない分、空気の重たさがとても怠く感じられる。
しかし呼吸は楽だ。
普段はオフィスから出ることも少ないから、外の空気を吸うと心底ホッとする。
もし転職するならば窓の開けられるオフィスがいいなぁ、と考えながらプールに向かう。
プールに着くと珍しくエリアがいて、先に泳いでいた。
自分がプールサイドに入ってきたのに気がつくと、エリオはプールから上がってきて、先週は風邪をひいてしまって休んだのだと、わざわざ話しに来てくれた。
いまは試験期間前で講義も休みらしく、早く来られたんだという。
試験期間前に勉強してもらうため、という休みなのだというのだが、自分の大学にはそんな期間は無かったような気がするのだがどうだっただろうか。
高校の時は試験期間が終わると、全校で球技大会があったなぁ、というのを思い出した。
ボビングジャンプ 25m
蹴伸び 25m
フィン付きバタ足 50m×2
フィン付きクロール 50m×10
フィン付きクロール 100m×3
クロール 50m×4
背泳ぎクイックターンの練習
背泳ぎクイックターン 50m×2
アップの途中でスジ筋兄上が遅れて来た。
早速、先週急にできなくなったクイックターンの話になる。
できてたことができなくなったのを忘れよう、という話をしていたのだが、ふと思い出しては悔しい思いをしたらしい。
でも今日の練習では、完成とは程遠いながらもまったくできない状態からは脱していた。
意識していない身体の働きだから、何が変わったのかを説明するのは難しいけれども、練習していけばそのうち出来そうな気がする。
出来る予感があるのだから、いますぐにでも出来ても良いような気もするが、それはたぶんイメージが足りないってことなのかもしれない。
たしかに背泳ぎからのクイックターンはイメージするのが特に難しい気がする。
後ろ向きで泳ぐから壁までの距離が掴みにくいのが難しくさせている。
練習後も残って3人で練習したけれど、あまり上達することはなく、逆にまたスランプに陥りかけてしまった。
試行錯誤は続きそうである。
プールから上がって着替えてジムを出ると、先っきより更に蒸し暑くなっていた。
「うへぇ…」と嘆いていたら、自分はこのぐらいの天気の空気が好きです、とエリオが言う。
静かで落ち着いた感じがするのだという。
たしかに眼に映るものはすべて湿気に重たそうにしているし、浮ついた感じには見えない。
この世界の見え方は人によって本当に違うのだということを、少しだけ意識させられた。
(夕飯は日替わりのタンメンと餃子半ライスセット。スープがポカリスウェットのようだ!と言いながら食べて帰る。)
#きょうの水泳教室