#ボタニカルホモ日誌 20190505
連休の最後に実家に帰った。
昨年の秋に姉は退院してはいるが、いまだ休養中のためなるべく時間がある限りは帰るようにしている。
おかげで自分の時間はほぼ無いのだけれど、1日の時間が24時間以上になるわけでもないのだから、不満を持つ方がおかしいってもんだ。
姉も両親も元気そうにしてはいたが、心配されると空元気を振りまく性格の方々なので、あまり無茶しないようにと話をする。
しかし自分が帰って来るのを待ちわびていたとばかりに、どんどん話というか報告が飛んできて止まらない。
トピックとしては、一番上の姪がいま北海道に旅行へ行ってるんだ!とか、春に看護師になった姪の一人暮らしの様子、あと教員をしている甥の学校の話などなど。
姉の家の子どもはみな社会人になったので、この連休中は随分と暇をしているのではないかと思ったら、案の定 その通りらしく、あちこちに出かけては逆に忙しくしているらしい。
家に着いてずっと話を聞いてるのも疲れてしまったので、庭に咲いている花の様子を見に外へ出た。
春先には地面の土もたくさん見えていたのに、いまはもう葉や茎で隠れてしまっている。
冬に剪定した食香バラも太い新芽を伸ばして、立派な蕾をつけていた。
うちのベランダで育てているバラさんより勢いが良い。
やはり休眠期の植替えと剪定をするかしないかの差は、かなり大きいようだ。
後ろを振り向くとアスパラガスがヒョロッと生えていた。
夏に向けて成長させるため、食べずに伸ばしているのかもしれない。
このアスパラガスも、ここで20年は生きているのではなかろうか。
母が挿し木で増やした鉄線(クレマチス)もキレイに咲いていた。
ブルーベリーだと思ってた木には見慣れない実ができていた。
なんだっけこれ。
ブルーベリーはこっち。若葉が生い茂っている。
満開のツツジにデカい熊ん蜂が蜜を吸いに来ていた。
自分が近づこうとも御構い無しに、花と花を飛び回っては蜜を吸い続ける。
しかも、吸いすぎなのか濾しているのか、小水を漏らしつつ飛んでいるではないか。
思わず「必死だな!」とツッコミをいれてみたが、蜂は悦に入っているのかどうか、こちらのことに一切気をかける様子はなかった。
自分が庭の様子を眺めていると、母親も外に出てきて、芍薬が咲きそうだから見てみろと声をかけられる。
この間は地面からヒョロッとした新芽を伸ばしていただけだったのに、わんさかと葉を茂らせて、まん丸い蕾をいくつも付けていた。
この蕾から花びらが膨らんで大輪の花になるとはイメージがしにくいのだが、そういう変化を楽しむ花でもあるのかもしれない。
玄関脇の榊(?)の新芽。照りがスゴい。
前回にお土産で持ってきたジャガイモのペチカも、だいぶ大きくなってきていた。
花芽もある。白色ではなく紫色の花が咲くらしい。
巨大化したミニバラちゃん。
驚異的に蔓延る白い花(名前がわからん)。
スズメに喰われるも復活した多肉植物たち。
新芽が2mを越すほどに伸びた庭の主のバラさん。
花が咲いても見上げてみるしかないではないか、と母に言うと、二階から見るから良いと言う。
それはそれで乙だな、と思った。
母が借りて畑にしている向かいの空き地の様子。
花菖蒲が咲いている。その奥には葱坊主。
こどもの日だもんね。
陽に当たっていたら怠くなってきたので、家の中に戻る。
玄関の日陰は冷んやりとした風が流れていて涼しい。
足元に目をやるとテントウムシがうずくまっていた。
自分よりもこの庭に詳しいのかもしれないので、踏んづけないよう、丁重に落ち葉に載せて通り道から移動させてもらう。
家の中に戻ると、話は終わることなく続いているようだった。
誰も盛り上げてもいないのに、そんなに話が続くとは逆にうらやましくなってくる。
自分も家に帰ったらベランダの鉢植え相手に、いろいろ話をしてみようかと考えてみたができる気がしない。
血が流れている相手じゃダメなのかもしれない。
しかしダメと言われたところで、相手にされなければ始まらない。
もしや血が通ってないように見えてるのだろうか。
たしかに、自分が血が通った人間だなんて、自覚したことはないのだけれども。
血ではなくて水分だけを見れば、人間だって植物と同じじゃないかとも思う。
#ボタニカルホモ日誌 20190505