#ゲイと東京から遠く離れて 2019年秋(0日目)
9月末で有効期限が切れてしまうマイルをずっと持て余していた。
そのことは今年の夏の前から把握していたのだけれど、担当業務が一区切りしそうなタイミングで使うつもりでいた。
少し長めに休暇を取って、また奄美大島へ旅行に行こうと考えていたのだが、それは叶うことなく、気づけば期限の9月になっていた。
奄美大島には往復15,000マイルで行ける。
マイルの特典チケットは2か月前から予約できるのだが、早い者勝ちなので、めぼしい日程の便はあっという間に埋まってしまうことが多い。
休みが取りやすいのは10月中。
案の定、9月も後半に入ってからチケットを手配しようとしたところで、週末に重ねた日程では空席が見当たらない。
残念ではあるが、奄美大島への旅は来年にすることにしよう。
早々に見切りをつけて、代わりにどこか行きたいところはないかと考えてみる。
大阪がまず頭に浮かぶのだが、できればマイルのディスカウント期間に行きたいところ。
通常より3000マイルしか代わらないのだけども、されど3000マイルだ。
結局、前にも利用した「どこかにマイル」のサービスを利用することにした。
行先はJAL側が決めるのだが、通常の約半分の6,000マイルで、往復の航空券を利用することができるサービスだ。
去年は同じサービスで北九州に行ったのだった。
早速、専用のWebサイト上でランダムに4つの候補地を表示させながら、興味の引かれる候補地が出そろうまでポチポチと繰り返し更新していく。
日程は国民の祝日と水曜日に年休を取って、1泊2日の旅にしてみた。
本当は月曜を休みにして行きたいところだけれど、会社の他の同僚が休むので逆に出勤することにしたのだ。
長いことポチポチして熟考した結果、選んだ候補地の組合せは「大分/徳島/福岡/大阪」で申し込みを決めた。
なるべく土地勘のないエリアを選んだのだが、できれば行ってみたいと考えていた候補地を組合せを選ぶことができたと思う。
規定では3日以内にJALから確定した行先の連絡が来ることになっているのだが、だいたい数時間後にはメールが送られてくる。
今回は、帰宅途中でJALから行先地が確定した旨のメールが届いた。
リンクの貼られた会員サイトにアクセスして、行先を確認すると「大分」と表示があった。
内心は大阪か福岡を期待していたから、正直なところ少しだけがっかりはした。
けれど、以前から行ってみたいと考えていた場所には違いないので、早速、旅程を考えることにした。
大分といえば、何と言っても温泉である。
別府と湯布院という、世界にも通じる有名な温泉地がある。
実は大分には割りと縁があって、昔、学生のころに中国へ短期で語学留学をしたときに、別府にある立命館アジア太平洋大学の学生たちと寮が一緒で仲良くしてもらったのだ。
別府の魅力をいろいろと聴かせてもらって、中国の先生や学生も、別府(Bié fǔと読まれる)が有名な温泉地であることを知っているのに心底驚いた思い出がある。
やはり九州が大陸に近いからなのだろうか。
会社に就職した後も大分とは縁があって、湯布院出身の先輩がいたり、会社の近くに大分料理を出すお店があって、「とり天」や「りゅうきゅう」という郷土料理の存在を教えてもらった。
10年前は東京でも「とり天」はそこまで知られていない頃だったから、初めて食べた時は初体験の食感と美味しさに感動したりした。
それと、“こっち“の友人もなぜか大分にルーツを持つ子が多くて、帰省中の様子をSNSで伺っては、行ってみたい欲がフツフツと湧いてくる。
けれど、ぶっちゃけいつでも行けるかな~と思っていたりして、気づけば15年も月日が過ぎてしまっていたのだった。
いまは大分料理のお店もなくなってしまったし、よくわからないまま頼んで食べたりゅうきゅうの味も忘れてしまっているし。
これまでは間接的に得た大分のイメージを、いい加減、自分の経験に置き換える頃合いなのかもしれない。
日程も行先も決まったしまえば、善は急げとホテルと社割のレンタカーを手配した。
しかし、台風が連続して関東に接近するシーズンでもあり、本当に旅に出発できるかどうかは微妙だったので、直前までキャンセル可能なプランを選んでみた。
旅に出ようとすると、いろんなリスクを考えないといけないのは本当に厄介だな、と思う。
今回も一人旅だから、誰かの都合に気をつかう必要がないのは救いだけれども。
(大分の観光ガイド本を紀伊国屋書店まで書いに行ったのだが、意外と置いてなかった)
(赤瀬川原平の寄稿が載っていたので買ってみたけど、たぶんるるぶの方が役に立ちそう(結局、るるぶも買い足した))
#ゲイと東京から遠く離れて 2019年秋(0日目)