ウォンバットの黄金バット

いろんなバットちゃんです。

#ゲイと東京から遠く離れて 2020冬(大阪1日目夜)

千里中央駅のローソンでモバイルバッテリーをレンタルした後は、鶴橋にキムチを買いに向かうことにした。

本当は明日行こうと考えてはいたのだが、民族学博物館の展示を明日も見ることにしたので、予定を前倒しにして詰めることにした。

ひとり旅だと簡単に予定を変えることができて都合がいい、というのは強がりで、誰の断りも要らないことに少し孤独を感じないことはない。

地下鉄の駅に向かうと、昼に見かけたたこ焼き屋さんが夜の時間もお客さんで混み合っていた。

テイクアウトで持ち帰るお客さんも多いのを見ると、地元でも人気のお店なのだろうか。

夜は目当てのカレーを食べに行くつもりだったのだけれど、少し小腹も空いたので食べてみることにした。

暖簾をくぐると表現の難しい色の髪を束ねたお姉さんが、カウンターにどうぞ!と愛想よく案内してくれた。

メニューを見て、一人前のたこ焼きを頼む。

たこ焼きの鉄板は3枚あって、常にたこ焼きが焼かれていて。

お世辞にも品のいいとは言えない話題で、店員さんたちがケラケラと笑いながら焼いている。

お客さんは入れ替わり立ち替わりやって来て、それぞれの好みの数を告げてたこ焼きを頼む。

一人前が10個なのだが、15個を頼む人が多かった。

f:id:bat_warmer:20200224124316j:image

15分ほど待ってたこ焼きが配された。f:id:bat_warmer:20200224124837j:image

卓上のソースと青海苔、魚粉をかけて、竹串で突きながら食べる。

f:id:bat_warmer:20200224125024j:image

生地はしっとりとして出汁の味もあり、柔らかい食感なのに生っぽさを一切感じることはなく、実に美味い。

思い返してみると、大阪でたこ焼きを食べるのは初めてのことだった。

これまで食べてきたたこ焼きって、本当にたこ焼きだったのだろうか、と疑ってしまうほど、初めて食べる美味しさだった。

意外と満腹になってしまったと、これから食べるカレーのことが心配になりながら、地下鉄に乗って鶴橋に向かう。

鶴橋には大阪のコリアンタウンがあり、去年にも寄ってポッサムキムチを実家に送ったところ、珍しく好評だったので、今回も買って送ろうと考えていたのだ。

駅に着いて地上へ向かう階段を上っていくと、辺りは焼き肉のにおいが充満していた。

f:id:bat_warmer:20200224124941j:image
f:id:bat_warmer:20200224124330j:image
f:id:bat_warmer:20200224124720j:image

毎日こんなにおいがするのだろうか。

ガード下にはたくさんの店が隙間なく並んでいて、地上のJRの切符売場も向かいのホルモン焼き屋の煙で霞んで見えた。

f:id:bat_warmer:20200224124844j:image
f:id:bat_warmer:20200224124913j:image

空腹の時には堪らないな、と思いながら、目的の店に向かう。

Googleで調べると閉店時間までは、まだまだ時間があるかと思いきや、鶴橋の商店街は19時前にしてシャッターを下ろしている店ばかりだった。
f:id:bat_warmer:20200224124742j:image
f:id:bat_warmer:20200224124933j:image
f:id:bat_warmer:20200224124651j:image
f:id:bat_warmer:20200224124337j:image

目的の店も閉店していたりして、と心配になったが、店の前を通ると片づけをしているところだった。

店舗のガラスケースに並べられていたキムチは、奥の冷蔵庫に閉まわれた後のようで何も無かった。

配送はできるかと店員の女性に尋ねると、大丈夫よ!と答えが返ってくる。

今回は実家と姉①と姉②の家に送ることにした。

父の入院の時の世話を率先してやってもらったので、その御礼の代わり。

しかし言わなければ、うちの家族のことだから気づくことはないだろう。
f:id:bat_warmer:20200224124828j:image

ポッサムキムチを送りたいと店員さんに告げると、もう終わりにしたのよ!と威勢よく残念な答えが返ってきた。

暖冬のせいで1月のうちに製造をやめたのだそう。

ポッサムキムチは、キムチに海鮮の具を混ぜ込んで漬けるので、気温の低い時期にしか作られない。

2月であれば当然のことながら買えるだろうと考えていたが、食品管理の厳しさを思い知った。
f:id:bat_warmer:20200224124800j:image

残念に思いながら、白菜キムチと山芋キムチにネギキムチと岩海苔の珍味を選んで配送をお願いした。

キムチを注文した後は、商店街を散策するつもりだったのだが、開いている店も少ないので次の目的地に行くことにした。

鶴橋駅から中津駅に地下鉄で向かい、ネパールのカレーを食べに行く。

f:id:bat_warmer:20200224153500j:image
f:id:bat_warmer:20200224125017j:image

中津駅に着いて地上へ出ると高層マンションなのか、オフィスビルなのかよくわからないビルが、大通り沿いに何本も立っていた。

その大通りから逸れて目的地のカレー屋さんに向かって歩いて行くと、高層のビルは遠くなり、低層のマンションや木造のアパートメントばかりが増えてくる。

(コンビニよりも目立つたこ焼き屋さん)
f:id:bat_warmer:20200224124920j:image

(外者は来ないだろうと思われていそうなエリアに入って行く)
f:id:bat_warmer:20200224124819j:image

(目的の店とは違うカレー屋さん、大阪は欧風以外のカレー屋さんが本当に多い)
f:id:bat_warmer:20200224124733j:image

(目的地の商店街)
f:id:bat_warmer:20200224125010j:image

(夜だから閉まっているのか、元からシャッター街なのかはよくわからない)
f:id:bat_warmer:20200224124644j:image

目的地のネパール料理屋さんは、暗い商店街を少し歩いたところにあった。

f:id:bat_warmer:20200224124344j:image

中に入ると昔は町屋建築の商店だった建物を改装して店舗にしていた。

土間のスペースには背の高い冷蔵庫や食品棚を置き、高くした床の上にテーブル席とカウンター席を配していた。

日本人のオーナーがいるのだろうかと思ったら、店員さんは二人ともネパールの方のようだった。

カウンター席に案内されてメニューを出してもらう。

注文するのは決めていて、10種のタルカリ(おかず)を載せてカレーとダルスープを付けたダルバートを頼んだ。

たこ焼きを食べた後で食べきれるかどうか不安はあったけれど、水牛のモモも頼んでみた。

少ししてテーブルに運ばれてきたダルバートは、配色のバランスも考えられているようで、隙間なくタルカリが盛り付けられていた。

まるで曼陀羅のようだと思いながら、中央のジャスミンライスと混ぜながら食べる。

スパイスと塩と油は刺激のために使うのではなく、あくまでも野菜の味を引き出すために使う感じで、やさしい味がして実に美味い。

塩味に辛味、甘味と酸味と苦味のバランスが、一つの皿に載っかっていて贅沢な一品だった。

f:id:bat_warmer:20200224142219j:image

水牛のモモも噛みごたえのある肉らしい肉で、旨味もにじみ出てきて美味しかった。

(左側のモモ二個は豚と鶏の合挽き、右側の二個が水牛のモモ)
f:id:bat_warmer:20200224141905j:image

てっきりネパールに頭が変になった日本人の店だと思っていたけれど、ネパールの味をそのまま日本に伝えようとしているお店だった。

偏見は改まってはいないが、誤解を改めることができて、来て良かったと思う。
f:id:bat_warmer:20200224142319j:image

ネパール料理屋さんを後にして宿泊先の梅田に向かう。

たこ焼きとダルバートとモモで腹がパンパンなのと、時間まだ遅くはなかったので歩いて向かうことにした。
f:id:bat_warmer:20200224142050j:image
f:id:bat_warmer:20200224142115j:image
f:id:bat_warmer:20200224142255j:image

薄暗くて落書きも多い高架の上と下が入り組む街の間から、新しくて高級そうなマンションが頭を出している。

住み分けが十分にされていない様子に、東京との違いを思う。

高架の脇にある階段を何箇所か通り過ぎてみた。

上に何があるのかは外者にはわからないし、Google マップも詳しいことが示されない。

f:id:bat_warmer:20200224141912j:image

上った先の明るい階段があったので、上ってみると通り過ぎたガード上の駅が見えた。

少し行き過ぎてしまったようだ。
f:id:bat_warmer:20200224142035j:image
f:id:bat_warmer:20200224141853j:image

少し先には梅田の街が見える。

大阪の街は意外とコンパクトにまとまっているのだろうか。

それともビルが密集していないために、見通しが良いからそう見えるのだろうか。
f:id:bat_warmer:20200224142245j:image

大通り沿いを歩いていても交通量は意外と少なく、通り過ぎる人も少ない。

f:id:bat_warmer:20200224141920j:image
高架の下にある交差点で信号待ちをすると、今朝飛行機から見た景色を思い出した。

上空からも見えないところに立つ自分を想像してみて、神が居たとしても自分の存在など気づやしないだろうと思う。

実際、自分がどこにいるのかはわかっていても、どんなところにいるのかはわかっていないのだ。

かと言って、自分の存在を世に知らしめたいのかというと、そういうわけでもない。

なんだかよくわらなくなって真っ暗な空を見上げる。

星が見えないのは曇っているせいなのか、それとも街が明るいせいなのか。

ひとりだと誰かに気を使う必要がなくてよいのだが、余計なことを考えてしまうのは本当によくない。

梅田駅が近づいてくると、ガード下に開かれた店舗の照明で明るくなってくる。

改装を終えて入居したチェーン店や、改装されずに残されたよく知らないお店など様々に並んでいる。

(鯖寿司とラーメンのお店)
f:id:bat_warmer:20200224141943j:image
f:id:bat_warmer:20200224142102j:image

(渋谷っぽくて新宿っぽいけど東京駅っぽくもある街)
f:id:bat_warmer:20200224141928j:image

(土曜の夜なのに仕事帰りの人もたくさんいた)
f:id:bat_warmer:20200224142235j:image

(観覧車はインバウンド向けなのだろうか)
f:id:bat_warmer:20200224142129j:image

(まだ21時すぎなのに駅に向かう人でたくさん)
f:id:bat_warmer:20200224142014j:image

行き交う人の動きで少し酔った気がしたので、早めに宿泊するカプセルホテルに向かう。

前回は漫画喫茶に泊まって後悔したので、今回はカプセルホテルにしてみた。

風呂に入って横になると、あっという間に睡魔に襲われて、明日の予定など考える間もなかった。
f:id:bat_warmer:20200224141951j:image

 

 

#ゲイと東京から遠く離れて 2020冬(大阪1日目夜)